15年の大きなニュースとして、産業用ロボットの安全性に係るJISが改正されたことがある。ISO 10218-1とISO 10218-2が、それぞれJIS 8433-1、JIS8433-2になった。また技術仕様書ISO/TS
15066が、12月に横浜で開催されたISO会議で審議を終了。これにより産業用ロボットの安全性にかかわる基準がJISとISOの間で整合性が取れるようになった。協調ロボットの普及にとって大きな前進だ。
ロボットはシステムの一部であり、安全柵の有無も各現場でのリスクアセスメントを考慮する必要がある。また、ロボットの周辺機器やハンドの安全性も求められる。
現在、大手メーカーを中心に協調ロボットを販売しているが、彼らには独自の労働安全ノウハウが整っている。一方、中小企業にはそれがない。今後、中小企業が協調ロボットを安心して導入するためには、安全面での考え方のガイドラインが不可欠だ。中小企業版の労働安全ガイドラインの具体例が早急に発表されたら、中小企業ももっと協調ロボットを導入しやすくなるだろう。
現在私は、ISO国際会議に日本サイドのメンバーとして参加している。「産業用ロボット安全性WG」のグループに所属し、産業用ロボットの安全な利用環境の整備などに取り組んでいる。これから各現場の状況に合わせたロボットの安全性やリスクアセスメントの考え方など、中小企業が協調ロボットを積極的に導入できるよう安全性についてアドバイスをしていきたい。