新年あけましておめでとうございます。
昨年の経済状況は、一昨年の金融危機に端を発した影響により前半は引き続き急激な減速に見舞われましたが、先進国のエコカー減税やエコポイントなどの景気刺激策で当面の危機回避が図られ、初夏を迎えるころにようやく底打ちの兆しが見え始めました。
当工業会でも、2009年度10月の実績は、08年度12月以来、10カ月ぶりに400億円を超え、前年同月比も70%台と下げ幅を縮小し、回復傾向を鮮明にしてきました。このような状況により当工業会の09年度出荷額は、前年比80・9%の4487億円と予測しております。これは、2年連続前年比80%台となる厳しい状況ですが、本年度期初から考えますと回復基調が感じられるところです。しかしながら、当工業会と関係の深い設備投資は引き続き調整局面にあり、また、最近の円高傾向などから、依然厳しく予断を許さない状況です。
こうした厳しい環境変化に対して、当工業会といたしましては、制御機器産業の発展と社会貢献の実現に向け、重点取り組みである3つの「S」、すなわち、第1の「S」Standardization【標準化及び関連事業の推進】、第2の「S」Safety【安全に関する事業の推進】、第3の「S」Sustainable
Society【環境関連事業の推進】のキーワードの下、以下の取り組みを積極的に進めてまいります。
日々進化を続けるイノベーションの時代において、電気制御機器に関する新しい技術開発に向けた研究は不可欠です。ものづくりを実践する製造業の集団として、基礎技術の一層の強化と高度化に取り組みます。
そのため、社会ニーズをタイムリーに調査・研究し、電気制御機器業界に関する最新技術情報を収集し、共有化、水平展開に取り組みます。先端技術が社会で有効に活用されるように当工業会が「技術集団」として結集することが、社会への貢献だと考えています。
当工業会の活動は、電気制御機器産業のみならず、お客さまである関連業界の永続的な発展に寄与することです。製品に組み込む各種部品、製品を生産する生産システム、デバイスなど、技術革新から創出される新規産業をサポートする「ものづくり集団」として、グローバルに活動を展開し、使命を全うすることで、豊かな社会づくりに貢献できると考えています。
当工業会の独自の活動や国内外の関連団体とのコラボレーションによって新しい価値を創造していくことは当工業会の重要な役割です。具体的活動としては、国際標準化活動に象徴される規格や、環境諸規制(REACH、RoHS、中国CCCなど)に関する情報収集と会員企業への情報提供などが挙げられます。また低炭素型社会の実現に向けて、地球環境保全に貢献する制御機器やシステムの市場浸透を図り、地球温暖化対策活動として取り組んでいきます。このような施策を着実に実行し、会員各位とともに制御機器業界の更なる発展に向けて全力で邁進いたしますので、関係各位の一層のご支援、ご協力をお願い申し上げます。
最後になりましたが、本年が皆様方にとりまして、すばらしい年になりますよう祈念し、新年のご挨拶といたします。