新年あけましておめでとうございます。会員の皆様には平素より当協会の事業活動に多大なご支援、ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
わが国経済は相変らず不透明感漂う景気低迷が続いていますが、昨年の政府による景気刺激策により、家電や自動車を中心に一部に回復傾向がみえてまいりました。
当協会の業績動向は製品特性にも恵まれ比較的景気の影響を受けないかたちで進展してきました。今後しばらく設備投資や生産の調整が続くことがありましても、人々の安全・安心や作業の効率化に繋がる自動認識システム技術は、他業界に先駆けて業績回復を実現することになるでしょう。
こうした中、当協会は昨年2月に公益法人化10周年を迎え、新たな発展を目指しスタートを切ったところです。昨今の自動認識システム業界を取り巻く環境も大きく変わりました。昨年新政権が打ち出した2020年温室効果ガス90年比25%削減目標を踏まえ、各種自動認識技術を組み込むことにより環境問題に対応したソリューションの確立が必須の条件となると考えられます。今後の自動認識技術には、正確性・合理性はもちろん、「エコ」が新たなキーとなってくると思います。
当協会の昨年の活動は、2月の「第6回自動認識総合展
大阪」に続いて、9月には「Best
Choice」と題してユーザーに最適な「自動認識システム」のご提案をテーマに掲げ、「第11回自動認識総合展」を東京ビッグサイトにて開催致しました。多くの来場者には最新の自動認識技術やシステムをご見学頂きました。
また、第11回システム大賞では応募が25件と多数寄せられ、その中でユーザーから直接の応募が8件ありました。ユーザーがご提案されたシステムは、現場の声を反映しており、その内容が評価され3件が受賞しました。自動認識システム技術はユーザーに幅広くかつ深く浸透してきた感があります。
普及啓発事業では、昨年に引き続き福岡にて自動認識セミナーを開催し九州地区の聴講者にシステム大賞の受賞作を紹介致しました。
自動認識システム技術者認定試験制度については第10回・11回・12回基本技術者認定講習・試験を行いました。当試験合格者は第1回よりの累計で692名を数えるに至り、業界のレベルアップに大いに貢献することとなりました。また、より高度な専門資格試験としてRFID及びバーコード専門技術者資格認定講習・試験を実施しました。
標準化活動は当協会が力を入れている分野であります。経済産業省の受託事業として、当協会が提案した「バーコード・RFIDを合成したリライタブルハイブレットメディアの標準化」は、順調に進展し本年4月にはISO化の見込みです。その他「RFID機器の植え込み型医療機器に及ぼす影響とその試験方法に関する標準化」、バイオメトリクス関連では「バイオAPIの標準化とマルチモーダル生体認証の標準化」等を推進しています。また、新たに総務省からの受託事業として「バイオメトリクス製品の適合性試験に関する国際標準化」に取り組んでいます。
自動認識システムは今後、最先端技術を組み合わせることにより、いろいろな産業分野で安全・安心のソリューションを提案するものです。当協会は、このようなエコを含めた新たな発展の芽を模索しつつ、より一層業界及び省庁間の連絡を密にして、具体的に事業を継続・発展をさせていく所存です。
本年が会員の皆様にとって素晴らしい年になりますことを祈念して年頭のご挨拶といたします。