FAパソコン・コンピューターは、24時間連続で振動や悪環境下での稼働に耐えるというのが大きな特徴。長期間の安定供給などが求められることから、手がけるメーカーは減少しているが、重要性はむしろ高まっており、技術改良が進んでいる。市場規模は400億~500億円と見られるが、参入メーカーの減少でシェアの寡占化が進んでいる。
用途も、半導体・フラットパネル製造装置や各種の検査装置、計装、通信、放送分野などの公共関連用途でも安定した市場を形成している。
製品の傾向は、小型・薄型・軽量化、処理スピードの高速化など、使いやすさと設置制約をなくすための開発が著しい。
FAパソコン・コンピューターは10年以上の長期間使用に対応できる長寿命部品の採用と保守部品の確保など稼働後も安心して使えるメンテナンス体制が整備されていることも大きな選択のポイントになっている。
最近は、プロセッサーの高性能化と低消費電力化が著しいが、特にプロセッサーの高性能化に伴い、そこから発生する熱が寿命に大きく影響することから、高性能で長期間使えるプロセッサーの開発も重要性が増している。熱対策では、熱分布を計算した基板や筐体設計で放熱効率を高める工夫が成されている。防塵についても、ファンの吸排気バランスを確保することで塵埃の侵入を防止している。
さらにRAS機能の充実も進んでおり、システムの動作診断、異常の早期検出・復旧支援を行い、万一の異常発生時にも、業務への支障を最小限に食い止めることができるようになっている。