安全対策機器市場は、グローバル規模で拡大している。世界市場は約1500億円と推定され、日本市場はこのうちの約15%、220億円前後と推定される。
市場が急成長している背景には、工場などでの安全な作業環境の確立、企業の社会的責任という立場から、機械安全への積極的な取り組みが進んでいることが挙げられる。さらに、市場のグローバル化に伴い、安全対策で先行している欧州の考えをベースにした国際規格取得への取り組みが活発化している。
規格面では、欧州の機械指令が改定され、欧州に輸出する機械・装置の安全制御回路は、ISO13849―1:2006への対応が進められている。
IEC61508の「機能安全」の概念である信頼性や品質も採り入れることで、リスクアセスメントを実施する上で分かりやすくなっている。しかし、昨年12月の会議で施行延期が決まった。
安全対策機器は、安全リレー、セフティドアスイッチ、セフティリミットスイッチ、非常停止用スイッチ、ソレノイド付き安全スイッチ、エリアセンサ、ラインセンサ、マットスイッチ、フットスイッチ、プログラマブル安全コントローラなど多種多様である。
製造現場での機械災害を防止する方法では、ガードによる安全防御と、安全装置による安全防御がある。安全を確保する方法では、エリア保護と、作業点保護があり、用途に応じて各種の安全対策機器を組み合わせるケースが多い。また、防爆機器については、07年に防爆構造規格が改正され、市場への導入PRや啓発活動が活発化している。