PD(プログラマブル表示器)は、単なる情報端末機能から、最近ではPLCや温度調節器など、各種制御機器の機能分担的製品として大きく成長している。市場規模は450億円前後と推定されるが、昨年は自動車を中心とする工作機械分野、半導体・液晶分野の設備投資が低調だったので、厳しい数字になることが予想される。
一方、医薬・食品・化粧品の3品業界市場は、トレーサビリティや安全な製品を提供するために工場の「見える化」が進んでおり、PD需要が順調に拡大している。
近年、PDは多彩な機能とインターフェイスを標準搭載し、様々な機器と接続できるほか、ビギナーでも簡単に使いこなせる機能が好評である。また、持ち運びに便利なハンディタイプは、危険が伴う現場で重宝がられているほか、生産ラインなどの補助操作盤としても使用されている。
表示方法も高機能化し、5インチクラスの小型機種でも表示色6万5536色を実現。高精細データや写真・動画などをより鮮明で見やすく画面表示できる。最近では、作画ソフトによりユーザーインターフェイスの向上が図られている。表示部分にLCDを使用したタイプは、多彩な表示が可能で、限られたスペースで大量の情報が表現できる。また、最近では、バックライトにLEDを採用し省エネ化が進展。
半導体・液晶製造装置関連では、中・大型機種が主流だが、最近では押しボタンスイッチや表示灯などの置き換え需要で小型機種の需要が増えている。また、不特定多数の人に多様な情報提供ができるので、非製造分野での用途も増えている。