端子台、コネクターなどの配線接続機器は、産業用からOA、通信、空調、電力など幅広い分野で使われている。市場規模は端子台で450億円前後、コネクターで5000億円前後と見られるが、価格の低下も進んでおり、数量に比べ金額の伸びは低い。今年も需要の先行きに大きな不安は少なく、数量的な伸びが見込まれるが、価格競争は依然激しさが続きそうだ。端子台は小型化と配線作業の省力化に向けた取り組みが著しい。
小型化傾向は電子機器の小型化と微少電流化の中で志向されており、プリント基板タイプが市場を牽引している。
受配電盤や制御盤など大電流用途ではDINレール搭載の端子台が主流で、耐熱対応や防爆など用途によってさらに厳しい仕様が要求される。
端子台全般に共通して志向されているのが、欧州タイプといわれる圧着端子を使わない方式が、作業性の良さに加え、端子部が露出しないことなどから需要を拡大している。日本式の圧着端子を使用したタイプも、バネを組み込むことで、配線作業効率を高めている。
一方、コネクターも産業用から民生用まで各タイプがあるが、ネットワーク化の進展、デジタル機器の普及などの中で用途開拓が進んでいる。
技術開発のポイントは、小型・低背化、軽量化などが上げられている。また、安定した接触の信頼性、環境・作業性に配慮した結線方式も志向されている。作業の安全性を確保したセーフティタイプのコネクターも浸透している。接続作業時などでの感電を未然に防ぐ構造で、工場や研究室などで採用が増えている。