真の見える化を実現する、これからの表示器の役割とは ~「人づくり」を支援する新しい製造現場マネージメントシステム~ 「異常要因特定」とは

2つ目の課題である「異常要因特定」については、装置が停止した際、熟練工と呼ばれる担当者なら経験により、例えば制御盤内の制御機器のエラー表示を発見し、これまでの経験により修得した復旧手順に基づき復旧させていたが、熟練者のいない現場では異常要因を特定することも容易でなくなり、この結果、ささいなことでも保全員が現場に呼ばれ異常要因特定と復旧作業に走り回るということに繋がる可能性がある。これらを解決するためには、オペレータへ異常要因を簡単に伝える仕組みの構築が不可欠である。

ある表示機器メーカーでは、生産現場でオペレータと一番接する機会が多いプログラマブル表示器こそがこれらの課題を解決するキープロダクトと考え、この課題を解決できるファクトリーマネージメントシステムパッケージの開発を開始している。このパッケージシステムでは、例えば次のような5つの機能を一つのパッケージソフトとしてユーザーにシステム構築してもらうことを前提にしている。

1.各種主要制御機器のアラームリストの取得

2.オペレータレベルに応じた操作権限付与とその操作ログの保存

3.生産現場に設置したCCDカメラを利用した遠隔監視

4.取得したアラームリスト・操作ログ・動画のパソコンでの一括管理と異常要因究明

5.生産フロア全体の稼働状況や表示器の画面をパソコン上で一括モニタリング

これらの機能により、生産現場で装置・人が発生させるあらゆるアラーム情報をプログラマブル表示器が収集し、その情報をパソコンに転送、さらに発生要因を究明することにより再発防止に繋げることができる。それでは上記の5つの機能について詳しく解説する。

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