製造現場における生産技術は、高機能化する制御機器の活用、各種ネットワークによる機器接続、パソコンによる各種データ収集・処理などの技術を駆使し、様々な課題を解決しながら生産性を向上させ進化し続けてきた。
この結果、生産設備・装置の生産性は高まり、製品品質も改善されてきた。その半面、多くの製造現場では設備・装置を運用する「人」についての悩みをよく聞くようにもなった。製造現場における熟練者の減少が続く状況下では、「人」についての悩みは、今後も大きな課題になってくるだろう。
では、製造現場における「人」についての悩みとはどのようなものだろうか?
それは大きく2つのテーマに絞ることができるだろう。
1つはオペレータによる操作手順・設定値入力のミスなどの「ヒューマンエラー」といわれるものであり、それをどのように減少させていくかという課題である。もう1つは、設備・装置にトラブルが発生した際の、「異常要因特定」であり、それをいかに早く見つけ出し、復旧までの時間を削減するという課題である。
今日、日本の企業も海外に生産拠点を持つケースが多くなり、海外工場においてはさらにその課題は深刻なものとなっている。