1.各種主要制御機器のアラームリストの取得
プログラマブル表示器と、生産設備・装置で使用される主要制御機器であるPLC・サーボモータ・インバータ・温度調節計・画像処理装置などと同時接続でき、一般的なデータの読み書きだけでなく、各種機器のアラーム情報も読み出すことができる。また、これを表示器にアラームリストとして保存し、ネットワークで接続されたパソコンへ転送することも可能である。
2.オペレータレベルに応じた操作権限付与とその操作ログの保存
操作するオペレータの役割・権限に応じて操作範囲を簡単に設定することが可能で、操作開始時にオペレータのIDを取得し、その操作ログを保存する。もし、誤操作があった場合はその内容も後から確認可能である。
3.生産現場に設置したCCDカメラを利用した遠隔監視
プログラマブル表示器に接続したCCDカメラを使用し、パソコンの画面上で遠隔管理できる。さらにその動画も保存できるので、異常が発生した際の動画情報も再生・確認することが可能である。
4.取得したアラームリスト・操作ログのパソコンでの一括管理と異常要因究明
上記1・2・3により集められたアラームログ・操作ログ・動画ログなど様々な情報を取得し、一括管理することで、見えなかった不良要因の特定や品質向上に向けての要因分析が可能となる。
5.生産フロア全体の稼働状況や表示器の画面をパソコン上で一括モニタリング
フロアレイアウト上に装置アイコンを配置し、パソコン上で一目で稼働状況がわかる。さらに、各装置の表示器画面をリモート監視できる。
以上、5つの機能を活用することにより、生産設備・オペレータの活動状況をトータル的にマネジメントすることができ、さらなる生産性向上を目指すことができる。
こうしたシステムにより、「ヒューマンエラー」を含めた生産現場で発する不良要因を確認することができるので、しっかりしたデータに基づいた「異常要因特定」も容易に実現できる。
最後に、近年進化し続けた製造現場においては、生産設備・装置の高機能化が生産性向上を実現してきた。しかしながら、その間に生産現場ではモノづくりの熟練者が減少し続けてきた。モノづくりに不可欠なものは「人づくり」である。今、まさしくこの「人づくり」を改めて考える時期ではないだろうか?
この課題は、設備・装置を考える人と、モノづくりする人が、問題解決のために向き合い、ともに解決のための知恵を絞り合うことが改善の始まりとなる。そして、向き合うことにより新しい生産現場のマネージメントスタイルが見つけられることになるだろう。表示機器メーカー各社は、新しい生産現場マネージメントスタイル構築に求められる「見える化」を支援できるような開発体制を推進している。