ここでは「システムセンサ」とは、多数の単体センサと省配線機能が有機的(システム的)に組み込まれた一式の多機能センサのことを指す。複数のLSI機能を一式に組み込んだ「システムLSI」からの連想ネーミングである。
「システムセンサ」の一例として、図2に液晶ガラスカセットの液晶ガラスの有無検出を行うマッピングセンサの動作原理を示す。マッピングセンサの各コームユニットは反射型光電スイッチ機能を持ち、複数のコームユニット間の内部配線は省配線化され、外部の省配線バスの伝送クロックと同期して動作する。従って、順次発光し、ガラスからの反射信号を順次受光するため、各光電スイッチ機能は相互干渉を生じない。そして、複数個あっても、1個の光電スイッチしか動作していないので、1個分の消費電力で済む。また各コームユニットには伝送アドレスがアドレス設定機能により自動的に付加され、各ユニットの受光感度も一括設定機能により一元的に設定される。各ユニットが検出したセンサ信号データと、各センサユニットが破損し、故障した場合の各ユニット単位の故障信号データは2本の省配線バスを介してPLC側でリモート監視が可能となる。外部配線が2本で済むため、可動部による断線故障が激減する。従来の製品は単体の光電スイッチを複数個使用し、内部も外部も並列配線していた。従ってユニット数が多くなると消費電力の増大、外部配線の断線を招いていた。
図1で示すAnywire製「ポカヨケターミナル」も一種の「システムセンサ」と言える。光電透過タイプターミナルは、部品棚の各間口に取り付けられるが、前記の動作原理のように各間口間での光信号の相互干渉を生じない。従来製品は干渉を起こさないように、投光信号の周波数を数種設定する必要があった。また扉タイプ「ポカヨケターミナル」は扉の開閉角度、開閉速度、順次起動の多機能を実現している。