電力流通・産業システム社は、社会インフラ関連の社内カンパニーの1つとして、電機・計測、電力の流通関連、2次電池、交通システムなどの事業を推進している。当産業システム事業部は、制御システム機器、産業用コンピュータ、計測機器、圧延計測機器をはじめ、産業用コンポーネントからシステムまでを国内外約20社のグループ会社と連携して、グローバルな展開を図っている。
2009年度の上期は産業用の設備投資が景気低迷の影響を受けているが、社会インフラ系の設備需要は比較的落ちが鈍かった。下期もコンポーネント系は下げ止まるが、システム系は厳しいと見ており、通期では前年度比20%ぐらい下がりそうだ。来期も引き続き厳しいと見ている。
東芝では、利益ある持続的成長へ再発進、イノベーションの深化、グローバル事業の加速、CSRの推進の4つを方針として掲げているが、この中でのキーワードの1つが「環境」である。09年11月からカンパニー全体として「みんなで守ろう愛する地球」、当事業部では「守ろう地球!
未来も活きる環境創り」をスローガンに掲げて取り組みを強めている。
10年12月から北米で高効率モータの法制化がスタートし、その後欧州、中国、日本でも法制化の動きが加速する。これに呼応してベトナムに産業用高効率モータの製造・販売拠点を建設。今年9月から生産を始める予定で世界市場に向けて販売していく。また2次電池を応用した製品、インフラ機器などの環境・省エネ関連に力を入れる。
昨年全シリーズのラインアップを更新した産業用コンピュータや、シンガポールにロジスティックセンターを設置してデリバリーが向上したインバータも注力する。今年も全社員の環境意識を向上させながら、更なるグローバル化を進めたい。