2008年下期から落ち込んだ受注であるが、現在は金額では08年上期実績に限りなく近い状態に戻っており、台数ベースでは超えている。特に中国市場が好調で、一昨年のピーク時を超える勢いである。欧州も底を脱しており、米国も環境・省エネ対応のグリーンニューディール政策もあり意外に悪くない。今後、中国の春節中の停滞が懸念されるものの、下期の動きから見て09年度の売り上げ額は08年度まで戻らないが、受注額は戻るものと見ている。
10年度の景気見通しは現状、まだよく分からないが、二番底はなく、だらだらとした踊り場が続くものと思われる。
こうした中で、製品的には小型機械向けに、センサーレスで位置決め精度プラス マイナス3度を実現しているインバーター「C1000シリーズ」を、今年3月から量産化する。
また、いままでインダクションモーターとインバーターとのセット販売に重点を置いてきたが、今後は高効率モータの品ぞろえを充実しながらインバーターとのセット販売を推進して、搭載率を上げていきたい。
さらに海外向けの新製品として、アメリカ市場へ600V系インバーターの新製品投入や、欧米市場のファン・ポンプ用途に向けた製品も開発を計画している。加えて、中国、欧州で先行したL1000シリーズも、今年春頃には日本市場向けに販売したい。
環境問題が年々クローズアップされる中で、マトリクスコンバーターにも注力するとともに、風力発電も中国で普及が見込め、その波及効果に期待している。
インバーターの海外需要に対応し、インドでの生産も視野に入れる。
今年はモータとのセット販売をユーザーにもっと近づきながら展開することで付加価値を高め、昨年より1%でも売り上げを増やす考えだ。