2008年8月以降の急速な受注減少が昨年3、4月頃まで続いたが、5月頃から回復に転じ、現在のところ受注ベースで08年度比70%ぐらいのところまできている。中国の政策的景気刺激策の効果や韓国、台湾のスポット受注が5月頃から夏にかけ出始め、さらにエネルギー関連の投資も活発化している。下期に入っても半導体投資が明確に出始め受注が上がってきている。ただ、景気の二番底の心配もあり、ここに来て回復のピッチが落ちている感じがする。従って10年3月期の売り上げは前年度比80%ぐらいまで戻ればと考えている。
景気の本格的な回復は今年後半と見ている。半導体はこのまま行くだろうが、液晶は積極投資の反動が出て少し中休みの状態で、今年後半から再び立ち上がるだろう。
問題は自動車関連の投資で、この動向がモーション事業にも大きな影響を与える。
10年度は08年度のベースまで戻したいが、この景気は循環的な中での低迷とは言えないだけに、元に戻すにはいままでと違う新しい事業、新しい商品開発に取り組む必要がある。具体的には、250kWレベルの大容量サーボモータを開発し、環境問題を背景にした、プレスや建機などで油圧から電動サーボに移行しつつあることに対応する。また工作機械のNC旋盤用ドライブを強化し、市場拡大が見込める中国市場の開拓を狙う。
中国・瀋陽で建設中のサーボモータ工場が今年6月に完成予定で、中国市場開拓の戦略工場として、中国国内への供給からスタートし、日本、台湾、欧米への販売も考えていく。
さらに、DDモータやリニアピストンモーション、ギア内蔵の新型アクチュエータ、さらには1軸位置決め機能を持った「INDEXERモジュール」などにも注力する。