2009年7月期の売り上げは前期比約20%増となった。日頃から顧客のニーズを聞きながら迅速な開発・生産体制で取り組んできた成果が、この厳しい市場下にあっても売り上げとして着実に成果に繋がっている。特に、昨年10月頃からは月ベースで1億3000万円前後に達して急速に拡大している。パチンコ向けや高齢者向けの操作スイッチをはじめとして、当社のスイッチ技術とアイデアが顧客から評価されていると言える。
中でも07年から販売している商品展示用フックにLEDを内蔵した「LEDアラームフック」は大ヒット中だ。このスイッチはフックに通常は商品がぶら下がっていることから無点灯であるが、商品がなくなると軽くなることでスイッチがオンになり、LEDが点灯する仕組み。品切れ確認が容易なことから、販売チャンスを逃さず、在庫管理の効率化にも繋がる。コンビニ、スーパー、ホームセンターなどを中心に引き合いが増えており、特に地方の農協など店員が品切れを見逃しやすい所で好評だ。こうした陳列用フックの国内の需要数は400億本とも言われており、この数%がLEDアラームフックに置き換わっても大変な数量になる。当面月産20万本から2・5倍の50万本に引き上げると共に、今春には金型も起こす計画だ。また、トグルスイッチの防水化ニーズに応えて、プラスチックス素材で量産化とコスト競争力を高めた製品も、農機具や調理器、電動工具などで採用が増えている。
スイッチの市場も競争が激化しているが、当社のように工夫した設計と自動化機械によって、必要な機能のスイッチを最短20日で開発・納品できる小回りの効くメーカーにとって、飛躍のチャンスは多い。月商2億円に早く乗せられるように新規の顧客開拓に積極的に取り組みたい。