当社の属する操作用スイッチ市場はまだまだ景気回復の実感には程遠いものの、既存分野に加え新規分野や、民生系に近い案件も増加してきており、売り上げ・受注は月ごとにプラスで推移してきている。
当社は、価格よりも、商品の付加価値で戦うという企業体。この姿勢は今後も変わらない。2008年にグッドデザイン賞を受賞した「有機ELディスプレイ
カラーIS」や「有機ELディスプレイ
ロッカ
IS」をはじめとする「ISシリーズ」など、メーカーとして当社にしかできない新商品開発に積極的に取り組んでいく。
また前中期経営計画「Quantum
Leap
21」より、中国工場の拡張、同工場から米国子会社や直接ユーザー販売体制の充実、即納を実現するITシステムの軌道化、タッチパネルの一貫生産ラインの構築など、積極的かつ継続的な先行投資を行っている。しかしながら世界規模の急速な景気悪化により、10年に最終年度を迎える中期経営計画「Quantum
Leap
Advanced」の完全達成は困難な状況にあるが、10年度も基本方針を変更することなく北米市場のシェアアップに注力し、マーケティングを強化する中で、着実に結果を残していきたい。最近は、米国自動車業界や証券業界の企業破綻の例でも分かるように、企業規模の大小は関係なく、市場の中で存在価値をいかに高めることができるかが重要と考えている。
昨年4月から、新ブランドマークである「NKK
SWITCHES」を統一化しグローバル展開しているが、こういう時期だからこそ競合他社に差を付けるチャンスと捉え、企業の存在価値を高めるために体力強化と競争力強化をテーマとし、世界No.1のスイッチブランドを目指していきたい。