昨年は前半、製造業の投資減少の影響を受けたものの、後半の回復と主納入先の堅調な需要に支えられ、幸い売り上げの大幅な落ち込みはなかった。
当社が推進するLONWORKS技術は、主にビルディングオートメーションでの普及が進んでいるが、他の適用分野においても大きな可能性があり、新たな分散制御ネットワークの市場が広がりつつある。具体的には、照明、EEM(企業エネルギー管理)、デマンドレスポンス、再生可能エネルギーの4分野である。なかでも、EEMにおいては本年4月より改正省エネ法が施行されることから、ESCO事業を行うパートナー企業とともに単なるエネルギー計測ではなく、省エネ制御による運用面での改善を提案している。そのソリューションとして昨年12月からi・LONSmartServer2・0を販売開始した。従来品に比べ、多店展開するチェーンストアや銀行など分散された事業所での設置を容易にする新機能を追加した。
また、エシェロン社の継続的な技術開発への投資により、本年は高性能・低コストのLONWORKS2・0製品群が出荷開始される。新規Neuron5000プロセッサなど部品のノード単価は半分程度になり、さらにLONWORKSが導入しやすくなる。
現在、某大手量販店においてLONWORKSを活用した省エネ制御を提案している。昨年は数店舗の試験導入だったが、今年は本格的な展開が開始される見込み。
その他にもデータセンタ向けにシステムの安定稼働を確保しつつ大幅な省エネを実現するシステムや、当社の優れた制御用の電力線通信技術を採用した電力業顧客への本格的な出荷が始まるため、本年の売り上げは対前年比20%成長する予定である。