今年は、3カ年中期経営計画「2010作戦」の最終年となる。一昨年秋からの急速かつ世界規模での景気減速で、昨年9月期の決算は大幅な減産、減収減益となった。中期経営計画も、本年は計画初年度の受注売り上げへ戻すことを目標に掲げた。
昨年秋口から受注に回復が見られ、10~12月期は前年同期比17%の受注増となった。結果、受注残が4・5カ月と急増し、当社の平均値3カ月強を大きく上回っている。
このような状況の中で新年を迎えることができた。世の中では二番底という声も聞こえ、当社を取り巻く環境は厳しいものと覚悟をしている。
増加を始めた受注案件は、かつてとは異なる様相が見える。昨年、低迷に苦しんだ電子コンポーネント事業にその現象は大きい。電鉄分野や自動車関連情報機器、印刷機分野など新規分野の需要が増している。共通して言えることは、電子機器の小型軽量化に伴う、プリント基板実装の高密度化。大規模な設備投資をせず、既存設備の改良と作業員のスキルアップ教育でその要求に応え、今では大幅な歩留まりの向上を実現している。
一方、当社主力の配電制御システム事業でも、太陽光発電や小水力発電システム関連など、新エネルギー関連のシステムが効果を上げている。
これら新規分野の市場には、技術の向上獲得が不可欠である。若手技術者が着実に力を付け、戦力化してきた。彼らの力を活用しながら、新規技術開発に積極的な投資を計画し、攻めの経営として進めようと考える。他方、守りの姿勢も重要である。昨年流行語となった事業仕分けを社内でも着実に実行。品質を高め、かつ無駄を省き、効率の良い経営を目指す。攻守と新旧のバランスを保ちながら、次期3カ年中期経営計画に向かって大きく飛躍する年としたい。