日本経済は、米国のサブプライムローン、リーマンショックに端を発した世界同時不況の後遺症からの脱却へ取り組んでいるが、ようやく底は見えたものの、回復への道のりはまだ遠いものを感じる。
円高の進行で二番底を警戒する声も聞かれるが、新興国への輸出が伸びることが見込まれ、それが好影響を与えることを期待している。
当社の業績も上期は大変厳しく推移し、下期に入ってようやく上昇基調になってきた。一般産業向けの標準品の売り上げが落ち込む中で、社会インフラがらみの電力、鉄道車両向けの販売が貢献している。この推移でいくと2010年2月期の売り上げは、前年度比20%弱の減少になりそうだ。
来期は、08年度のベースに戻すことを念頭に置いて積極的な営業攻勢を進めていきたい。
現在の市況は中国市場を中心とした外需が牽引しており、今年もこの傾向は変わらないだろう。
当社の顧客は、社会インフラを中心とした内需関連ウエイトが高いこともあり、限られた市場の中で販売競争が激しくなってくる。
しかし、主力製品の表示灯や端子台などは地球温暖化など環境問題の解決に貢献するものとして、今後の市場拡大が期待できる。
特にLEDの表示灯・照明は、省エネ・長寿命などの特徴から今後さらなる用途拡大が見込まれている。さらに、端子台も新エネルギー関連のソーラー発電や充電スタンドなどでの新市場開拓も期待できる。鉄道関係も引き続き取り組みを強めていく。
今年は「市場浸透戦略」を徹底的に推進して、シェアアップに繋げるための情報発信を積極的に行っていく方針だ。
さらに、今期中には省力化につながる新製品の発売も計画している。