09年度上期は、昨年からの急激な景気後退により、厳しい状況で推移し、連結ベースで7期ぶりの赤字となったが、7月頃からは回復の兆しが見えており、8月には収支は黒字基調に転じている。
売上高は前年度比26%減から、通期は13%減程度まで減少幅が縮まる見込みで、純利益も何とか計上したいと思っている。
好材料として、当社は自動車関係のウエイトが少なく、新聞印刷用制御装置、デジタル放送業界向けの耐雷変圧器なども好調に推移した。さらに、中国の子会社、南京華洋電気が昨年3月から現地でのエレベータマルチビームセンサの販売を開始した。従来、日本から輸出していたものを、現地で生産販売できるようになり、輸送費などのコスト削減が図れた。通期では約350万元の売り上げを見込む。中国ではビルの建設ラッシュで、エレベータメーカーとの新規取引も進めていく方針である。
営業の強化策としては機器、変圧器、エンジニアリングの3営業部長が東京、大阪、名古屋地区の各ブロック長としての役割も受け持つようになり、営業統合を視野に入れた体制を整えた。統合により、既存の大手取引先企業に対し、営業の横展開が実施できるようにしたい。
また昨年、新しい製品、サービス分野を開拓する「市場開拓室」を創設、4つ目の新事業立ち上げに向けて動き始めた。顧客の要望も取り入れて、既に幾つか検討しており、今期中には、試作品だけでも世に出したいと思っている。
昨年失ったものを、今年1年間で取り返せるように、原価低減活動、新規事業の開拓を目標に掲げてまい進していく。次期は売り上げが横ばいでも利益は増益を目指し、次のステップの売上高100億円達成に向けての道筋をつけたい。