昨年は、ソレノイド部門が悪かった。収支とんとんまで持っていくために同部門のテコ入れをした。昨年の12月には、これまでソレノイドの生産を委託していた中国・上海市の日系企業を買収、100%子会社のKGS上海とした。今年の末までには、生産量を現在の5倍の月10万個とする計画である。一方、国内は、セル生産方式を導入し、小ロット、多品種の生産に特化し、より短納期への対応を強化する。
市場は、少しずつではあるが回復するとみており、新しい分野からの引き合いも出始めている。新製品の開発をも含めたこれまでの様々なテコ入れが功を奏してくるのはこれからだろう。モノづくりプロジェクトにより、徹底したモノづくりへの姿勢がユーザーでも認知されてきたことも大きい。
また、VIP機器(視覚障害者用機器)では、昨年の5月には点字ラベラー(BL―1000)、10月には点字ディスプレイ・ブレイルメモ(BM32)を発売するなど着実に拡大している。
また、第3の柱として約8年かけて育ててきたTI(触覚情報)機器でも新しい動きが出てきた。昨年の12月には、神経機能を評価する温度刺激装置(TI―310)を開発、歯科治療時に神経の損傷状況や麻酔の効き具合を調べる用途向けに販売を始めた。今後、高精度化することで、利用範囲の拡大が見込め、米国でも発表する計画を進めている。
日本、フィリピン、中国・上海の確固たる三極体制を築き、今後はKGSグループとして、それぞれのカルチャーの違いを活かしながら交流をはかり、お互いのレベル向上を図っていきたい。
来期(6月決算)は、社内体制も整ったことから売上高では20%増も見込め目標とする利益率20%を確保したい。成果を出していく年としたい。