2009年12月期の売り上げは、対前期比約30%減少となった。産業用センサーや自動認識機器は、市場の減少幅より小さく健闘したが、セーフティ機器は自動車、工作機械向けビジネスが大きく減少、他の製品群より落ち幅が大きくなった。
今年度も国内の設備投資は余り期待できない。自動車の製造設備は過剰で、ハイブリッドカーの生産投資も全体から見たら小さく、むしろ海外生産投資が進むだろう。
これに対して、物流向けオートメーションは宅配便などが比較的元気でさほど落ちていないが、自動車の落ち込みを補うところまではいかず、何とか08年度の売り上げ実績まで回復させたい。
ジック本社では昨年度、「イノベーションマラソン」と題して毎週1つの新製品を発売するとして、52週連続して続けた。この効果もあり、業界全体が落ち込む中で09年12月期はグループ全体で黒字を確保した。
当社も昨年夏に世界最小クラスの超小型スリム筐体の「セーフティライトカーテン
mini
Twin」を発売した。日本のマーケットニーズに合致したコンセプトで開発した製品で、セーフティスキャナ、コントローラと並ぶ、今後のセーフティ事業の大きな柱となる製品である。
昨年10月から営業体制を、製品の3本柱(産業用センサー、自動認識機器、セーフティ機器)単体で販売するプロダクトオリエンテッド営業から、これらの製品を組み合わせて、業界別にアプリケーション提案販売が出来るソリューション営業の仕組みに変更した。一人の営業がすべての製品を販売できるように研修を行いスキルアップを図っている。この営業力を活かして今年度から「ニューソリューション提案販売」を強力に行う。
二歩後退であるが、一歩進み、また一歩進む年にしたい。