2009年12月期の売り上げは、一昨年秋からの金融危機の影響を受けて世界同時に全産業が厳しい経済環境に陥る中で、当社も少なからず影響を受けた1年であった。
こうした中で、社会インフラに絡んだ需要は小幅な落ち込みで推移しており、当社が従来から注力している鉄道車両や特殊車両関連、エレベータ関連などの売り上げに繋がってくれている。
10年度も先行き、この厳しい状況が続くものと見ているが、何とか08年度の売り上げ水準に近づけられるように努力していきたい。
自動車関連の設備投資はまだ期待はできないが、半導体や液晶製造装置、及び省エネや新エネルギーに絡んだ分野は伸長が見込まれており、市場開拓を意欲的に進めていく。
当社が業界に先がけて開発・発売したフラットパネルスイッチは、斬新なデザインと薄型構造でスイッチの新たな境地を拓いたものと自負している。照光式押しボタンスイッチで築いた長い実績をベースにしているだけに、顧客の信頼も高く、今後の戦略製品として、引き続き拡販に力を入れていく方針だ。さらにここ数年、従来の単品販売であるSP(スタンダード・プロダクト)に対する、特注品・システム品対応のCP(カスタマー・プロダクト)品の販売が増えてきており、付加価値向上につながってきている。他社との差異化を図る意味でも引き続き取り組みを強化し、顧客満足と利益率の向上に繋げていきたい。
さらに、CRM(カスタマー・リレーション・マネジメント)システムも、当社グループ内で顧客のあらゆる情報を共有できることから市場のグローバル化の中で、サービスの向上と効果的な販売戦略を推進するうえでも大きな力になっている。