景気は世界経済の問題であるが、世の中を見ると人々が覇気を失っていると思う。昨年は景気がこれほど急速に悪化するとは想像外であった。特に製造業での落ち込みが激しく、トランス市場も大きく縮小してしまった。今年は二番底が来るとまでいわれるが、個人的にはそうは思わない。昨年より景気は多少上向くが、しかし市場を取り合う販売競争がより一層激しくなるのは容易に予想できる。
そこで弊社は昨年、人員を増やし営業部を強化した。これは、この不況でトランス市場も縮小するなかでシェア拡大を図るため、こまめに訪問しお客様のニーズを的確に捉え受注につなげる営業体制を整えることに他ならない。同時に、設計・計画時にお役立て頂くためにCADデータのダウンロードサービスも始め、トータルでのサービス向上に努めている。
今年はさらに直接ユーザーとのコンタクトを強め、特別仕様製品の受注を増やしていきたい。
また、UL規格取得の医用機器トランス、ノイズ防止トランス、耐雷トランスの新製品の拡販にも力を注いでいく。
環境への取り組みも強力にアピールし、お客様が仕入れメーカーに要望する環境対策にお応えしていく。弊社は、お客様に安心して購入して頂くためにRoHS指令対応を完了しており、UL規格認定・CEマーキングトランスも標準在庫品化し便宜を図っている。
現在、再び原材料が大幅に値上がりしつつあるが、部品や材料の見直しから取り組み、生産体制も機械化を進めるなどし、製品価格に反映しないよう努力したい。
昨年3月に自動化装置開発会社テクノプロジェクトを長野県に設立した。私個人が出資した会社であるが、開発・設計の熟練技術者で構成しており、当社の生産自動化や開発に役立てたい。