昨年1年間はつらい時期だったが、次に向かっての足場固めを行ってきた。今年は「前に打って出よう」をモットーに新商品を投入、元気な姿をアピールする。メーカーは、業界のキーワードによって新商品を作れば不況下でも脱却できる。
今期の売上高は減収だが、計画より5%ぐらい改善されそうだ。医療機器関連が好調だったのと、昨年4月に発売した2段踏みフットスイッチに工作機械業界から引き合いがきたのが大きい。従来、海外メーカーが大きなシェアを持っていたが、当社の2段踏みが評価され、耐久性、安全性も高いということで、今後新規の受注がさらに期待できそうだ。
立体駐車機用落下防止装置も競合他社が少ないということで、堅実に売り上げに結びついている。しっかりと営業活動を行ってきたのが功を奏し、新築需要が減ってもマンションの10年毎の保守、メンテナンス、部品交換を請け負っている。
福祉関連機器は、携帯用会話補助アプリケーションソフトなど様々な商品を開発しており、営業部隊はPRを行いながら販路を開拓している。
海外では、商社を活用しながら中国、台湾、香港などでの事業を強化する予定。上海での展示会にも毎回出展しているが、社員が現地の人と交流を深めるなど、人材育成にも結びついている。
不況は、本来の積極的に売っていく営業活動を再認識し、売れる商品を企画したり、コストダウン意識が高まったりして、逆にメリットも生まれている。次の事業の柱を考える契機にもなる。
当社が長い間培ってきた技術は、水の制御や美容器具などにも応用され、実を結びつつある。今春には大小3つの新商品を投入する予定で、営業部門も提案営業などの意識を高めて前に出ていき、10年度の売上高は5%位の増収を目指す。