世界同時不況で半導体関連部品業界は厳しい状況が続き、当社は無借金経営を堅持する上で一時期、この分野から撤退することも考えたほどであった。しかし、昨年9月から受注が急増し、現在は土曜日を返上してフル生産が続けている。好調の原因はパソコンが売れているためである。
今年は、半導体調査によると半導体は増勢が続くと予測されており、関連部品需要も9月以降の状態を堅持しながら推移すると見ている。
半導体関連部品は1時期、中国で生産が行われてきたが、生産機械を移しても高品質の半導体関連部品が作れず、再び日本へ注文が戻ってきたことも受注好調につながっている。当社にとってプラス要素である。
ところで、一般に、今年の景気は良くならない。可処分所得が少なくなり、正業に就けない人が多くなっている。消費が見込めなければ、企業も社員を採用できず、売り上げ減少と規模縮小の悪循環に入りつつある。景気が回復するには相当の時間を要する。
こうした先行き見通しの不透明な中で、当社は小型水力発電設備市場に進出する計画である。
太陽光発電は発電効率が悪く購入金額を償却するには年数が相当にかかる。風力発電も風に左右される。水力発電は日本の風土に向いている。
当社が開発を進めているのは、小川で手軽に発電可能な小型発電機である。小さな川で数戸の電気が賄えるし、田圃への灌水にも利用できる。
開発と併行してマーケティング調査を行っているが、新エネルギー源として有望であり、この事業を今後育成して行きたい。
また、安定収入源として不況と関係なく定期的に収入が入る住い事業にも取り組んでいる。中国工場で生産し、日本で組み立てるため、市場よりも大幅に低価格である。