LEDディスプレイ分野の需要が激減したため、12月決算(24期)は、これまでにない減収減益となった。特に、海外向けが大幅にダウンしたこと、円高も追打ちをかけた。需要先の大手広告代理店でも国内向けにシフトしたものの限定されたことも大きかった。半面、これまで主としてきたOEM供給、アッセブルからメーカーとしての体制に明るい材料が出始めてきた。
その中で、すでに5点は着実に動き初めており、今年は期待できる商品に育つと見ている。
これまでは全く経験のなかった理化学関係の教材が出始めた。これは高専、大学での電気関係の実験用キットで、昨年の5月頃から納品を開始し、すでに数千台は納めたが、今年も新機種を含め順次生産し、その注文は途切れることなく7~8年は続くとの見通しにある。見通しが立てやすい分野だけに安定したものとなっている。
道路交通法改正で来年の4月から全国の事業所で設置が義務化される呼気アルコール測定機も、今年の夏場以降には台数が増える。すでに昨年からユーザーにはPR活動を行っており、認知度はかなり高まっている。この製品は単品での採用だけでなく、周辺のカメラ、パソコンなどの周辺機器も同時に販売することも多く、メリットは大きい。まだまだバージョンアップを図る必要もあり、追加仕様の注文にも期待がもてる。この他、従来から手掛けている美顔器、映像分野でのOEM商品、それにアッセンブルの分野でも期待できるものがある。
メーカー色を強めていくなかで、昨年の11月には2008年度版のISO9001、14001を取得。同時に、鉛フリー用ハンダ付け装置をはじめ検査装置など積極的な設備投資も行った。
大不況だが、創意工夫を凝らして改革する。