昨年は「厳しかった」の一言に尽きるが、底を抜け出し忙しくなりつつある。それまでは経費の見直しを徹底的に行ってきたが、昨年後半から受注、売り上げともに上向き出し、12月から生産体制を元の状態に戻すことができた。
今年の景気見通しは不透明感が拭えない。ドバイの影響も心配な要素である。このような状況で先行きを見通すのは困難であるが、少なくとも国内景気は急回復しないといえる。
当社は、昨年秋以降、輸出用エアコンのコントロール装置の受注が増え、全体でも過去ピーク時の8割まで戻すことができた。今年3月まで受注があるが、お客様は生産が立ち上がると即納品を要求するので、当社としても納期遅れをきたさないように外注先を含めた生産体制を再構築している。
世界はコスト競争の時代に入り、国内企業も海外に生産をシフトする方向にある。また、部品の削減にも取り組んでいる。そのため、当社は今年受注が回復しても、良くて過去の9割までの売り上げを予測している。
国内のDIPスイッチ市場は拡大が見込めないが、かといって用途は広く、悲観もしていない。営業を強化し市場占有率を高めていきたい。コスト対応力を強めるために中国での委託生産を増やす計画である。
また、付加価値を高める上で部品単体販売からユニット販売へ比重を移していく。今年は、次の事業の柱と成るべき製品も考えている。
ターゲットとなる市場はLED照明、太陽光発電関連などになろう。これらの分野のメーカーとは取引があるので、そのルートを活用して売れる製品の開発を計画している。当社は、昨年を上回る売り上げ状態を維持しながら、次代の製品を育てるのが今年の大きな目標である。