日本半導体製造装置協会(SEAJ、東哲郎会長)は、2009年度から11年度までの半導体製造装置及びFPD(フラットパネル・ディスプレイ)製造装置の日本製装置及び日本市場の需要予測を発表した。09年度の日本製半導体製造装置とFPD製造装置を合わせた販売高は08年度比37・4%減8131億円となって、半導体・FPD製造装置とも大幅に落ち込む。しかし、10年度は一転して成長局面になり、同37・7%増の1兆1198億円と08年度ベースまでは届かないものの大幅に増加する。11年度も同20・6%増の1兆3501億円と引き続き増加することから、08年度から11年度までの平均伸長率は1・3%とわずかであるがプラス成長になる。
日本製半導体製造装置の09年度販売高は、同29・2%減の5631億円と08年度に続き減少するものの、10年度は36・7%増の7698億円と2年間の調整局面から増加に転じ、11年度についても継続して同23・1%増の9476億円を予測している。
09年の電子機器市場は、08年来の世界的な景気低迷の影響を受けて多くの製品が台数・金額ともにマイナス成長となる見込みであるが、各国の景気刺激策等の効果により液晶テレビは大幅なプラス成長が見込まれている。
パソコンもネットブックの普及によりプラス成長が維持され、10年以降はノートPCの更なる普及、企業の買換需要の拡大により安定した成長が見込まれている。通信分野では、スマートフォンの急成長も期待されている。
09年の世界半導体市場は、09年後半からの緩やかな景気回復を受け、10年は12・2%増と2桁成長が予測されている。11年も9・3%増と堅調に推移し、過去最大の市場規模であった07年を超えると見込まれている。
国内半導体メーカは、09年度も引き続き一部のメーカを除き減収減益となる見込みであるが、国内メモリーメーカは、09年後半からの需要増加と価格上昇により収益改善の方向であり、世界市場ほどの回復の勢いはないものの、10年度以降の設備投資回復が期待されている。
一方、日本製FPD製造装置の09年度販売高は、世界経済の減速により同50・3%減の2500億円と半減する。しかし10年度からは一転して成長局面に転じ、10年度同40・0%増の3500億円、11年度同15・0%増の4025億円と予測している。
世界的な景気後退による需要の落込みにより、08年の秋以降、液晶パネルは著しく供給過剰な状態になっていたが、中国での「家電下郷」景気刺激策、09年6月から始まった各国のアナログ放送停波対応、世界における液晶TVの普及拡大などにより、09年第2四半期以降需給が急速に引き締まり、10年度に向けて設備投資計画が出始めている。