【名古屋】河村電器産業(愛知県瀬戸市暁町3―86、tel0561―86―8111、河村幸俊社長)は、外気活用と効率的な熱回収を組み合わせた次世代データセンター向け空調システム「エアーネクスト」を発売した。
データセンター(IDC)では、サーバの高密度化によって増大する排熱量が空調設備の消費電力を押し上げ、環境負荷の一因となる重要な問題になっている。パンチング仕様のラックであっても6000ワットの排熱性能が限界。そこで、今回のシステムは、データセンターの空調効率を改善するため開発された。
小型化、高密度化が進んだ機器の排熱をラック単位で実現する高排熱システムで、ラックから空調までの排熱全体を最適化し、熱を逃さずに閉じ込め、効率的に回収する。ホットアイルとコールドアイルを分断しており、溜まった熱を上部の排熱ダクトから排出する。
集めた熱は外気エネルギーで冷却し、外気ミキシング制御、加湿機能を備えた外気導入式空冷パッケージエアコンで省エネに役立てる。
年間で10カ月程度は外気が利用でき、電力量などで40~45%の省エネ効果があるという。CO2も削減できる。
また、ダンパ形状の可変式排気口を備えており、ラック単位で排熱ダクトの排気口を調節できる。データセンターの拡張に伴い、段階的な設備投資が可能なミニマムスケールのシステムになっている。
用途に応じて、ラック、外気空調システム、上部ダクト、エアーカーテンなどを組み合わせてシステムが構成できる。