業界団体2010年の年頭所感 地球温暖化防止に貢献

2010年の年頭に当たり、謹んで新春のご挨拶を申し上げます。

昨年は、天皇陛下即位20年、46年ぶりとなる皆既日食、イチローの9年連続200本安打達成、石川遼の大躍進など心に残る明るい出来事も多々ありました。しかし、ここ数年比較的堅調に推移してきた電気設備工事の受注額は、世界的金融危機に端を発する世界同時不況の下で、昨年度後半から下落に転じ、今年度上半期には、民間工事を中心に前年同期比約20%の大幅な落ち込みを示し、誠に憂慮すべき状況です。

昨年9月には新政権が発足し、大型公共事業の見直し、2010年度公共事業予算の大幅縮減といった公共投資に関わる政策転換が急テンポで進められており、建設業界は官民両方からの工事受注が著しく減少し厳しい経営を迫られています。

新政権が新たな成長戦略を早急に策定され、その柱として国民生活の安全・安心と経済活動を支える社会資本整備の着実な推進や地方の経済・産業の活性化を明確に位置付け、将来を担う子供たちのために、日本を豊かで活力と潤いのある国へと導いていただくことを切にお願いするものです。

当協会はこのような厳しい事業環境の下、電設工事業のナショナルセンターとして、国民生活を様々な面で支える良質な電気設備の整備と保全が適切、かつ十分に行えるよう諸般の活動を進めていく所存です。

その活動の主なものとして、電気設備工事が高品質で安全に施工できるよう、工事の受注にあたっては適正な価格、適正な工期で受注できる環境の整備に向けて関係方面に一層の理解を求めることとしています。

また、電気設備工事の内容・品質と、それに必要なコストとの関係が透明かつ明確である「分離発注方式」すなわち建築工事と電気設備工事を分離して発注する方式をお客様に採用して頂くよう、従来に増して強く訴えていきたいと考えています。

一方、電気工事業を支えているのは、そこで働く優秀な技術者・技能者であります。しかしながら、いまや団塊世代の高齢化に伴い、技術・技能の継承が深刻な問題となる一方で若者の技術離れが深刻化しています。地球温暖化防止などの新たな分野に積極的に取り組むためにも、チャレンジできる風土の構築や計画的なキャリア開発による人材の確保・育成に取り組み、優秀な技術者・技能者が集まる魅力的な職場作りに引き続き力を入れてまいります。

また、新政権が打ち出した「脱地球温暖化戦略」の推進では、90年比25%という極めて厳しいCO2の削減目標を国際公約としています。

この目標達成には、「省エネルギー対策の強化と再生可能エネルギーの活用」が不可欠です。電設業界では、この分野において長年培ってきたノウハウを活かし、新たなビジネスチャンスと受け止め、業界をあげて地球温暖化防止に貢献していく所存です。

このほか、今年で58回目となる電設工業展の開催、登録電気工事基幹技能者の認定の推進と有効活用、500万アクセスを突破した電子カタログ(JECAMEC)の一層の普及拡大等、皆様のご要望・ご期待に応えて積極的に取り組んでまいる所存であります。

結びに、皆々様のご繁栄とご健勝をお祈り申し上げ、新年のご挨拶と致します。

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