慶應義塾大学発の電気自動車開発のベンチャー企業として、慶應義塾大学環境情報学部清水浩教授を中心に設立されたシムドライブ社(東京都千代田区)は、先行開発車事業第1号に34の企業・団体が参加することになった。参加するのは、完成自動車メーカーの三菱自動車、いすゞ自動車をはじめ、電池メーカー、電子・機械部品メーカー、精密機器メーカー、商社、自治体などで、今年夏までに試作車を完成させ、2013年から年間10万台規模の生産を目指す。
参加企業・団体は各2000万円の参加費を提供し、技術や試作車開発に協力するとともに、仕様書や基本図面、試験成績書などの提供を受けることや、テスト・展示・メセナ活動などに利用できる。
同社が開発を進めている「シムドライブ」は、自動車の車輪の中にモーターを挿入するインホイールモーターの技術と、床下に中空構造の強固なフレーム構造を設け、そこに電池やインバーター等、走行に必要な主要部品を挿入する「コンポーネントビルトイン式フレーム」技術で、これらの技術を組み合わせた形態を「Platform
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SIM―Drive」と呼んでいる。これによって、これまでの電気自動車で最大の弱点とされてきた、1充電当たりの航続距離を大幅に伸長させることが可能になる。
名前の公表を許諾した参加企業・団体は次の通り。
IHI、いすゞ自動車、井上製作所、イリソ電子、岡山県、オリンパス、クレハ、サンデン、セリオ、ダイナックス、田中貴金属グループ、帝国ピストンリング、THK、東京電力、TECO
Electric&Machinery、東特塗料、鳥取県、ナノオプトニクス・エナジー、西三河開発、ニッカン工業、日本航空電子工業、パイオニア、東日本電信電話、ベネッセホールディングス、三井物産、ミツイワ、三菱自動車工業、三菱商事。