昨年1年はまるでリーマンショックが日本で発生したような衝撃を日本経済に与えた。産業界のモノ造り活動がそれこそ停止したかと思えるほど昨年4~6月は停滞した。配線資材業界への影響も多大であった。秋以降は多少良くなってきたが、電子部品や1部材料の不足、製造業の海外生産シフトという別の不安材料が出てきた。
お客様は設計が終わり電子部品を手配する段階で部品・材料の入手が難しくなり、現在もこの状態が続いている。配線資材は後工程で使われるので、その間は受注が遅れる。実需が戻るには秋口までかかるかもしれない。為替の動向次第では2番底の不安もある。
とくに根深い問題なのは、製造業の国内空洞化である。日本の製造業は世界的に見ても最先端にあるが、品質・納期・生産技術が新興国に移り、逆に日本や米国、EUは新興国からモノを購入する傾向が強まれば、先進国はデフレが長引く。
このような状況下で昨年当社は、グループ化を図り会社の体質に柔軟性を持たせる政策を取ってきた。グループと社員が市場に対し自立的な行動を取れる体制に整えた。
今年は原点に戻り、当社の強味である商品企画力を活かしてオリジナル品の開発や市場を創造する新製品の発掘を積極的に進め、通信・制御・電設・電材業界のお客様に喜んでいただける製品を提供したい。
また、昨年、オリジナル商品として環境対策の難燃エコチューブの発売、高品質PLラベルのラインナップ充実など図ったが、今期の売り上げ増加につなげたい。
ところで、昨年1月にメーカー、商社が参加して配線資材工業会が発足し大同団結する土台が出来た。このことも念頭に置いて業界あげて化学物質管理など共通の課題解決と、業界の活性化にも取り組んでいきたい。