一昨年のリーマンショックによる世界同時不況は、自動車、工作機械産業が集積する中部地区ではとくにその影響が大きかった。しかし、昨年5月頃から少しずつ自動車、工作機械関連以外のお客様は仕事が増えてきた。最盛期の70%程度に戻っているところも出てきた。
当社は、昨年基本テーマ「ありがとうございます」、行動テーマ「お願いします」を掲げ、厳しい経営環境の中でお客様に対し、少しでもお役に立てるよう社員一丸となって取り組んできた。
お客様が立ち上がったときに納期でご迷惑をかけないよう、昨年6月頃から商品在庫を少しずつ増やしてきた。当社は過去の経験により現場を回ってどのような商品が不足するか見えてきたので、その対策を講じた。また、新規商材も増やして提供することができた。
お陰様で新規お客様が増え、昨年11月期は売り上げが減少したものの若干黒字を確保できた。
今年の景気は昨年よりは良くなるが、設備投資関連は過去ピーク時の75~80%ではなかろうか。
こうした中で、当社の今11月期は、基本テーマ「お客様を知ろう」、行動テーマ「準備をしよう、提案をしよう」を掲げ、お客様へ貢献し売り上げ増加につなげたい。
今年は小ロット加工体制を強化したい。お客様は人員削減しているので、受注を消化できない状況が出てくる。その受け皿として4工場の生産能力を高めるほか対応策を工夫している。
ところで、これからは人間を大切にする仕事が増える。モノが満ち足りている中で、社会全体が取り組む方向は愛情を豊かにすることである。工業もその視点で見れば、伸びる。
当社は来年50周年を迎えるが、これを機会に長期的な計画で取り組んで行きたい。