主要取引先である自動車関連などで厳しい状況が続いているが、こうした時期だからこそ、創業期に戻って着々と事業の作り直しを実行していきたい。基本に返って一から積み上げていく必要がある。また、現在のような変革の時代には、産業革命的なパラダイムシフトを念頭において、事業構造について再考していく。
09年度は売上がかなり落ち込み、損益面でも創業以来90年で初めての赤字になる見込みだが、従業員はみんな頑張っているので、めげずに元気にやっていこうと言っている。「従業員満足は自分の手で」という方針に基づき、従業員もパラダイムシフトを頭に入れて根本から変わっていってもらいたい。
変革に向けての施策としては、昨年春からプロジェクトチームの設置を始めた。チームごとに新商品などの開発から営業までを一貫して担当していくもので、既に自動車関連、環境関連などのチームが発足し、製品開発、顧客開拓などで成果が出始めている。また、昨年から「MMS(マーケティング・アンド・マーチャンダイジング・ウイズ・セールス)」という仕組みづくりを進めており、今後は、エネルギー・エコ関連などの新規ビジネスを模索していく。
海外では、やはり中国の景気が上向いているので、支援体制をとっていく。中国現地法人の人員を増強したり、日本からの出張を増やし、日本の取引先と現地企業とのコラボレーションなどに結び付けていく。
不況下では、売れる商品も日々変わっていくので、今まで以上に良い商品を開発して育てる。営業マンは提案力を付けて、システムとして販売していかねばならない。
こうして商品、人材を充実させ、プロジェクトチームなどの効果と合わせて、10年度は売上を伸ばし、黒字転換を目指す。