オムロンは、業界最高クラスの高速性で生産性の向上を実現した、超高速モーションネットワークEtherCAT対応の「SYSMAC
CJシリーズ」位置制御ユニット「形CJ1W―NC281(2軸・標準価格14万円)/NC481(4軸・同20万円)/NC881(8軸・同25万円)」計3形式と、EtherCAT通信内蔵タイプのACサーボモータ/ドライバ「OMNUC
G5シリーズ、形R88D―KN□□L/H/F―ECT―R」計13形式(同15万4000円~20万4000円)を発売した。販売目標は、位置制御ユニットが年間5000台、サーボドライバが同2万2000台。
半導体・電子部品業界や食品・包装機械などではタクトタイムの向上が図られており、装置の制御を司るPLCと精度が求められるサーボシステムに一層の高速性や高機能、使いやすさが求められている。
一方、EtherCATは、Ethernetをベースにリアルタイムを可能としたオープンネットワーク。超高速と同期制御を同時に実現し、配線効率の高いバストポロジーを採用することで、Ethernetの課題であったハブ、スイッチを多用した複雑な配線課題を解決した。日本でもマシン制御用ネットワークとして注目され、今後の市場拡大が見込まれる。同社が開発した新製品はEtherCATを採用。位置決め性能の高速・高精度化と、ネットワークによる多軸化及び省配線化を実現。
同社のPLC「CJ2シリーズ」と、EtherCAT対応位置制御ユニットの組み合わせで、同社従来製品比5倍の最高0・15ms~0・4ms以内(1軸起動直接運転時、4軸同時起動メモリ運転時)という高速起動を実現。ネットワーク方式ながらパルス列タイプの位置制御ユニットと、同等の起動時間で動作する。
また、サーボドライバ自身も高速追従を実現するため、速度応答周波数2kHzに高速化(同社従来比2倍)した。
設計から保守までのサポート機能をPLC用サポートツール「CX―Programmer」内に統合。面倒なネットワーク設定を自動化した。サーボドライバに対する、パラメータ設定やモニタなども一元化。設計工数を削減するほか、立ち上げや調整時間の短縮に貢献する。
通信ケーブルは、市販のEthernetケーブルを採用。ケーブルが入手しやすい上、サーボドライバ・位置制御コントローラ間の省配線化が実現できる。
サーボドライバは高速起動のほか、フルクローズド制御機能と高分解能20bitインクリメンタルエンコーダに対応し、高精度・高応答な位置決めを実現。また制振制御機能で装置の振動を抑制、精密駆動を実現した。
さらに、ゲイン時間の短縮や簡単調整による工数の低減を図ったほか、幅広いニーズに応えるため、剛性設定の拡大や周波数範囲(100~500Hz)の拡張、耐環境性(IP67)向上を図った。グローバル対応のため、電源電圧はAC100V・200V・400Vまでラインアップしているほか、最大15kWまでの発売を検討している。