NECとNECトーキンは、NECトーキンの大容量ラミネートリチウムイオン二次電池事業を分社化し、4月1日付けで、「NECエナジーデバイス」(佐藤護社長)を設立する。資本金は4億円、従業員は約300人の予定。新会社は、大容量ラミネートリチウムイオン二次電池事業を、従来のNECトーキンの電子部品事業と分離し、NECグループで同事業をより一体化して投資・事業・生産・技術をマネジメントする体制を構築する。
大容量ラミネートリチウムイオン二次電池は、電気自動車やハイブリッド自動車用途での市場拡大が見込まれることに加え、今後は家庭用、産業用及び系統用の蓄電システムへの適用が有望視されており、CO2の排出を削減し地球温暖化抑制に貢献するキーコンポーネントとして、様々な領域への事業拡大が期待される。
NECは、大容量ラミネートリチウムイオン二次電池事業を、NECグループの新たな成長領域となる環境・エネルギー事業の中核と位置づけており、2007年4月、両社と日産自動車が設立した合弁会社で、自動車用高性能リチウムイオン電池(セル、パック)の開発・生産を進めている。
また、NECは09年4月、社内に環境・エネルギー事業推進室を設置し、NECグループとして自動車向け電池事業や将来の伸長が見込まれる大型蓄電システムなど、環境・エネルギー事業分野の事業戦略の推進・事業開発も進めている。
一方、NECトーキンは、同電池向けの電極を量産化するため、神奈川県相模原市において、電極製造ラインを順次設置し、立ち上げを進めている。
今後のNECトーキンは素材型電子部品メーカーとして、キャパシタ、EMC等の電子部品事業に経営リソースを集中し、事業の成長を図っていく方針。