パナソニック電工は、エポキシ系接着剤などの樹脂設計技術を応用し、光ピックアップやカメラモジュールのレンズ接着用に、LEDを光源とした低エネルギー照射対応のアクリル樹脂系UV硬化樹脂「CV7500シリーズ」を開発、サンプルを開始した。
UV硬化樹脂は、光学部品である光ピックアップ(光ディスクのデータを再生・記録する光学部品)やデジタルカメラ、携帯電話機のカメラモジュールのガラスレンズ、プラスチックレンズの固定用に使用されており、これらの光学部品の小型化・高機能化が進み、より一層の接着強度が求められている。
また一方では、省エネやレンズ接着時の熱による歪み対策として、LED光源のUV硬化装置の導入が増加している。LED光源の場合、紫外線(水銀)ランプ光源に比べ、UV光のピーク波長が365ナノメートル前後の単一波長であることから、従来のアクリル樹脂系接着剤では、十分な硬化度や接着強度が得られなかった。
同社が開発したCV7500シリーズは、従来の紫外線(水銀)ランプ光源対応の接着剤に比べ、硬化時間を約40%短縮し、接着強度を1・5~2倍に向上させた。さらに、低温(常温レベル)での硬化(接着)が可能で、光学部品などの熱歪み・熱収縮が軽減される。
これにより、ガラス・プラスチック・金属など、さまざまな材質の部品に対して硬化時間を短縮、接着強度を高めることができる。また、UV硬化装置の光源として、LEDと水銀ランプのどちらにも対応が可能である。
今後、同社では新製品においてユーザーに対する製品認定活動を推進し、12年度に年間10億円の販売を目指す。