三菱電機は実用的な厚さ200ミクロンで15センチ角の多結晶シリコン太陽電池セルで、同社が昨年達成した世界最高の光電気変換効率19・1%を0・2ポイント上回る19・3%を達成し、世界最高効率を3年連続で更新した。また、この技術を厚さ100ミクロン、15センチ角の超薄型多結晶シリコン太陽電池セルに適用し、この厚さと大きさのセルで世界最高効率となる18・1%の光電気変換効率を達成した。
今回の光電気変換効率向上では、電極形成前のシリコンウエハーに清浄化処理を施して電気的接触状態を改善することで、接続抵抗を従来比4%低減した。
同社ではまた、薄膜シリコン太陽電池で、3層セル構造により太陽光を有効利用し、業界トップクラスの光電気変換効率14・8%を実現した。
太陽光が持つ可視光から赤外線までの広い波長の光を3つの発電層でバランス良く吸収することで、光を効率良く利用する3層セル構造の開発によるもの。
短い波長を吸収する第1層セルから長い波長の光を吸収して発電する第3層セルまで、それぞれの吸収波長に最適な発電層を形成する半導体材料設計や構造設計、およびこれら発電層の高品質成膜技術を確立した。