立花エレテックは、1月28日付けで大電社(下吉英之社長)の株式97・43%をTOB(株式の公開買い付け)で取得したが、今後大電社との協業を強め、早期に相乗効果の発揮を狙う。
同社は2006年5月、大電社に資本参加し、株式の30・41%を取得、下吉社長を派遣した。しかし、リーマンショックに端を発した金融危機の影響で、大電社の売り上げも設備投資の抑制から制御機器・システム機器・電子部品の販売が落ち込み、単独で展開が厳しくなっていた。
立花エレテックでは、大電社を完全子会社とすることが両社の特性発揮に繋がると判断し、TOBを行った。
立花エレテックは、三菱電機の代理店としてPLCやインバータなどのFA制御機器の販売で強みを持つのに対して、大電社は監視・計測機器、センサー、画像機器などのコンポーネント販売で強みを有することから両社の販売が連携することで、生産ラインの合理化や効率化といったソリューションを顧客にワンストップで提供できることに繋がる。
また、コンピューターシステムも一元化することで運用が効率化でき、維持費用などの削減も図れる。
大電社は大阪・難波駅近くに約1300平方メートルの敷地の本社ビルや、大阪・堺に約1600平方メートルの不動産など約57億円の資産を有している。これらの資産を活用することで、収益の増加も可能になる。そのほか、年間1億円の上場維持費用も削減できる。
立花エレテックではこうした一連の施策によって、今後2年で採算が取れるようにし、3年で利益が残る会社にすることを目標に置いている。
今後3月26日に臨時株主総会を開催して、減資と子会社化への手続きを決定し、4月26日に上場の廃止、同30日に完全子会社にする。
なお、立花エレテックでは、同社の工事子会社で電気工事の立花ESと管工事の宏和工業を今年3月に合併し、「立花宏和システムサービス」にする。
ソリューション営業や太陽光発電などの環境エネルギー事業、施設営業などを強化するために、1社ですべての工事ができる体制にすることで、立花エレテックとの一体経営を実現していく。