近年、防犯分野へのセンサメーカーの取り組みが活発化しているが、セキュリティ事業を中核としている竹中エンジニアリング(京都市山科区東野五条通外環西入83―1、tel075―594―7211、穂積正彦社長)は、「火災・放火防止用屋外炎センサ」や「ワイヤレス放火監視システム・防犯カメラ」、「残留者検知センサ」など、一連の安全防犯・セキュリティシステムを積極的に投入しており、同事業の強化を図っている。
同社は、赤外線パッシブセンサ、近赤外線アクティブセンサなどのハイレベルなセンサテクノロジーと、監視用ビデオカメラ、カラーCCDカメラ、動画伝送システムなどを駆使し各種のセキュリティシステムを構築、セキュリティ市場に向け積極的な事業展開を行っている。
これらのハイレベルなセキュリティシステムは、住宅・店舗・事務所・学校・神社仏閣・美術館・老人施設・病院などの小・中規模なものから、原子力発電所、石油備蓄基地、空港・港湾といった大規模なものまで各方面で採用されている。
ワイヤレス放火監視システムは、炎センサにワイヤレス送信機を内蔵させており、配線不要で発火・放火行為を素早く発見し報知する。また、夜間でも監視できるデイナイトカメラシステムも用意している。
一方、消防庁では、文化財建造物などの火災による被害が続発していることから、昨年、各都道府県の消防防災主管や各指定都市の消防長に、文化財建造物などの防火対策の徹底を図るよう文書で通達を行った。さらに文化庁も「対策費用の最大85%を国が補助する制度もあるので、地元の消防署や警察とも連携して対策を進めて欲しい」と所有者らに呼びかけを行っており、防犯防火システム普及の追い風となっている。
また、残留者検知センサは、完全に静止している人体を検知するもので、すきま風や人の姿勢に左右されない安定した検知が可能、銀行などのATM/CDコーナーなどを中心に採用が拡大している。
今年1月に神戸で開催された竹中センサグループの展示会では、実際の製品やシステムを展示するとともに、一連の防犯システムの提案・プロモーション活動を大々的に行った結果、多くの来場者が関心を寄せ、インパクトの高い展示会となった。同社では市場のニーズが高まっているセキュリティ事業について、今後グループ各社とのシナジー効果も含め、積極的に推進していく方針である。