堅調な需要示すタイマ／カウンタ市場　見直される機能・使い勝手の良さ　新興国向け装置への搭載増加　簡単な操作性で根強い支持誤配線防止の新製品登場

タイマ／カウンタは、食品や包装業界をはじめ工作機械分野、生産ライン、機器組み込み用など幅広いＦＡ分野で使用されている。組み込み用途のほか、頻繁に設定を変えたり、経過時間やカウント数を個別でモニタリングするニーズに対応するため、単体で使用される需要も根強いものがある。また、ＰＬＣプログラムを簡略化したいというユーザーニーズに合わせ堅調な需要がある。最近では中国など新興国での需要が高まっているが、海外での低価格化に対応するため高い機能を維持したままロープライスを実現した国内製品も発売されている。
タイマ／カウンタは、食品・包装業界、工作機械分野、生産ライン、機器組み込み用など、幅広いＦＡ分野で使用されている。

タイマ／カウンタや温度調節器などの単品コンポーネントは、タッチパネルが付いたＰＬＣが多く普及している現在でも、頻繁に設定を変えるケースが多く独立させて使いたいといった要望が強いほか、経過時間やカウント数を個別でモニタリングさせたり、ＰＬＣプログラムを簡略化するというユーザーニーズに合わせ、堅調な需要がある。

さらに、中国をはじめとするＢＲＩＣＳなど新興国での生産拡大に伴い、海外向け装置への組み込み向けやメンテナンスといったニーズがあり、市場は依然として成長し続けている。

また、新興国での生産拡大は低価格化競争に拍車をかけており、国内メーカーでもこうした低価格要求に応えるため、画期的なロープライスを実現したタイマ／カウンタを開発し、市場に投入している。

一般的にタイマとは、入力信号が入ってからあらかじめ定められた時間に出力信号を出す制御機器である。時間要素を持ち、セットされた時間経過後に動作するもので、アナログタイマやデジタルタイマなど様々なタイプがある。アナログタイマは、簡単なダイヤル設定で時間制御が手軽にできるのが特徴。一方、デジタルタイマは、高精度な動作時間設定が可能である。デジタルスイッチで時間セットも容易で、経過時間のデジタル表示も可能である。

最近は、白色ＬＥＤの採用でタイマ値が非常に見やすくなっている。また、ゲート入力装備により、計時の一時停止にも対応する。

さらに、最近発売されたデジタルタイマは、一般的なアナログタイマと同じソケット接続方式／配線を採用しており、アナログタイマから簡単にデジタル化が図れる。デジタル化することで時間精度のアップや、経過（残り）時間のモニタリングが可能になるなどのメリットがある。同時に瞬時接点付きタイプもラインアップしており、瞬時接点付きアナログタイマからの置換も容易である。

そのほか、モータタイマは短時間から長時間まで簡単にダイヤル設定できるのが特徴。電圧変動、温度変化の影響を受けず、可動指針により時間経過の読み取りも可能である。

時間固定タイマは、入力回路に所定の入力を加えた時点から、セット時間経過後に出力を出すオンディレー動作や、入力をオフした時点からセット時間経過後にオフするオフディレー動作、さらにセットされた時間に従って出力オン／オフを繰り返すフリッカ動作などのタイプがある。

カウンタの基本的な機能は、パルス信号を受け、数を数えて表示する装置。汎用電子カウンタ、電磁カウンタなどがある。

汎用電子カウンタは、設定された数値まで計数すると制御出力するプリセットカウンタ。タイマ同様、ＬＣＤ／ＬＥＤ表示で高い視認性を持つ。簡易設定モードなどにより簡単に設定ができ、設定内容の詳細をひと目で確認できる表示機能付きもある。便利な12桁トータルカウンタなども内蔵されている。

出力機能は、標準・バッチ・予報・桁上げなどに対応、出力モードは自己保持・ワンショット・一致・比較などに対応する。また入力モードは加減独立・位相差・加算・減算・加減指令などに対応する。

また、カウンタ前面の選択キーにより、順次12の内蔵カウンタを呼び出せる機能や、プリセット値をゼロにすることで、トータルカウンタとしても使用できるタイプもあるほか、通信機能付きもある。

電磁カウンタは、電磁石を励磁または消磁することで文字車を動作させ、計数を行う。低価格で、各種機器の使用回数をカウント表示する。そのほか、計数入力の数値を表示するトータルカウンタや、動作時間を計時表示するタイムカウンタ、工作機械のツールメンテナンスカウンタなど、用途別に各種の対応カウンタがある。

注目される新製品では、デジタルタイマ、電子カウンタの電源～入力間を絶縁分離することで、誤配線による故障や感電、システムダウンといった問題を未然に防ぎ、低価格ながらもユーザーが安心して使用できる設計になっている。