配電制御システムメーカーの萬所電機工業(広島県尾道市瀬戸田町林777―3、tel0845―27―2774、萬所孝行社長)は、配電・制御盤製造効率を50%アップできるMDK生産方式を開発し、公開しているが、不況下で製造の省コストを目指す配電制御システムメーカーの導入が増えている。
この生産方式は、作業のデータ化と工程の分業化により効率化とムダの排除を可能にしている。
電線の線種や長さ、電線番号、チューブの方向、キャップ・リングの指定、端子や処理の種類、接続先などをデータ化することにより、電線カット、マークチューブ入れ、入線、接続チェックなど分業化が可能である。データ作成工程ですべての接続チェックを行えるため、空き端子への接続、1端子への複数電線の接続などエラーもチェックできる。人員を要する機器取り付けを前倒し、電線カット・マークチューブ入れ・圧着端子取り付け・配線の各工程はアルバイトで十分に作業がこなせる。最終検査も裏面配線図との照合だけで完了するため、作業効率と時間短縮が大幅に向上する。
データ作成は、同社が開発した測長システムソフトを採用することで敏速にできる。
パソコン、プリンター、ホットマーカーがあればMDK生産方式を導入できるが、電線加工機でさらに省力化を図れる。
同社では、この測長ソフトのレンタル、生産方式のコンサルティングを始めた。現在、配電制御システム各社は不況で受注が減少しているが、時間を有効活用し製造方法の抜本的な見直し、省コスト化を研究している。そのため、同社生産方式への問い合わせが増え、実際に導入したところでは採算性が大幅に向上したという。