リレー業務専門委員会(主査=富士通コンポーネント鈴木勝男氏)は、NECAに4つある業務系委員会のひとつとして、リレーの生産・出荷統計を中心に、国内外の市場動向と需要予測、新市場の探索、業界共通テーマの調査研究などを主な目的に活動している。
現在8社が参加し、毎月委員会を開催しており、すでに累計開催回数は181回になっている。
リレーはNECAの製品の中でも最も出荷金額が多いことから重要製品として位置付け、リレー業務専門委員会ができるまでは親委員会である業務委員会の中で活動に取り組んできた経緯がある。「リレー業務専門委員会は、国内の車載電装品専業メーカーが生産するリレーを除くと90%以上のカバー率を誇る」(鈴木主査)ことから非常に熱心といえる。
タイマ・カウンタも含めた制御用リレーの出荷額は、2007年度で約1465億円となっており、NECA全体出荷額の約20%を占めている。「00年頃までのIT化全盛時は情報・通信関連市場向けに2A以下のプリント基板用リレーは日本メーカーが世界市場で圧倒的なシェアを有し、1700億円を超えていた」(鈴木主査)。しかし情報・通信市場の減少とリレーの海外生産進展で01年には1200億円まで減少した。リレーは出荷額の約半分を輸出で占め、それだけに海外生産の割合も高く、NECAの製品の中でも最も海外生産が進んでいる。従ってNECA出荷額に反映されないOUT―OUTも多く、国内出荷額は市場の実態以上に減少傾向だ。
リレー業務専門委員会では、市場のグローバル化対応と新市場開拓に向けた取り組みを一段と強めている。
家電製品向けを中心に中国ローカルのリレーメーカーの台頭が著しく、「世界市場のシェアは日本メーカーが約50%であるのに対し、中国メーカーは2、3年前から5ポイントほど伸ばし、約25%に達している」(鈴木主査)と言う。中国の家電メーカーは中国ローカルメーカーのリレーを採用するところが多く、ここでのシェア拡大が需要を大きく左右する。
リレー業務専門委員会では中国以外の新興国であるBRICsやVISTA地域でのマーケット調査を委員が分担して実施したが、「中国のマーケットが大きく、それ以外はまだこれからの市場であるという結果であった」(鈴木主査)。また、新市場としてNECAの市場調査研究会とも連携して、ソーラーや風力など新エネルギーの直流給電関連市場、スマートグリッド関連市場、ハイブリッドカー・電気自動車などもテーマとして取り組んでいる。
一方、市場での採用が増えつつあるオプトMOSリレーの動向にも注視している。有接点と無接点の特徴、コスト、開閉容量などで使い分けされているが、委員会のなかで用途別・市場別に検証作業を進めている。
鈴木主査は「日本メーカーの強かったプリント基板用リレーを中心に市場がシュリンクしている。単価も下落傾向であるが、リレーの良さを活かせる新市場開拓を進めていきたい」と、今後の活動への意欲を示している。
【委員会参加会社】
IDEC、オムロンリレーアンドデバイス、共立継器、タイコエレクトロニクスジャパン、富士通コンポーネント、富士電機機器制御、パナソニック電工、安川コントロール