ワゴジャパン(東京都江東区亀戸1―5―7、tel03―5627―2050、ピーター・エセイヴァ社長)は、日本法人を設立して今年で20周年を迎えた。同社では設立20周年と同社の差込みコネクター発売開始35周年を記念して、電気工事業者向け「ワゴ差込みコネクタープレミアムキット」を限定5000キットで販売するなどの記念イベントを展開している。
日本でも配線接続の方法は、圧着端子を使った方式からスプリング結線による差込み結線方式が主流になりつつある。しかし、同社が設立した20年前はスプリング結線式の認知度が低く、市場開拓に苦労した。日本ではネジ式結線が主流で、スプリング結線に対する市場の理解はまだ低かったためである。
スプリング式接続システムは、1951年に同社のドイツ本社で開発されたもので、来年で60年を迎える。すでにドイツの国鉄にスプリング結線方式の端子台が採用されて信頼性が証明されていたことから、日本でも手始めに鉄道にターゲットを当て国鉄(現JR各社)に売り込んだ。国鉄は採用のハードルが非常に高いところで「採用されるまで大変な苦労をしたが、何とか採用にこぎつけた」(同社久佐陽常務)。これを機に、現在では国内はもとより、世界中の鉄道分野で使用されスタンダードの地位を築いている。
この評価はその後FA分野にも広がり、幅広く採用されるようになった。不安を持ちながらもネジ式からスプリング式に切り替えたユーザーも、一度使って見ると配線作業のしやすさ、接続の信頼性の高さなどに納得し、「ネジ式に戻るユーザーはほとんどいない。今後の結線方式はスプリング式が確実に主流になる」(久佐常務)。
同社では単なる端子台メーカーではなく、革新的な接続技術で「つなげる」ことに専念していく姿勢を鮮明にしており、現在ではフィールドバスに対応したオートメーション機器も品ぞろえし、省配線をトータルで提案する企業へと進化しつつある。現在では、世界72の拠点と代理店網を持つグローバル企業に成長している。また、外資系接続機器メーカーでは珍しく兵庫県にアッセンブリができる工場も開設、日本国内向けの特注対応品やオリジナル製品もできる体制を構築している。
久佐常務は「これからも省力化・省スペース化に貢献できるINNOVATIVE(革新的)な製品開発で、ユーザーのお役に立つ製品とサービスを提供していきたい」と語っている。