機械関連業界全体を包含した機械安全確保に対する統一・包括的な基本指針がまとまった。日本機械工業連合会が「機械工業界横断的リスクアセスメントガイドライン」を作成したもの。メーカーサイドの機械安全思想の足並みがそろい、機械安全機器市場の成長を促すことになりそう。機械安全に対してモノ造り風土の違いから、日本は欧米諸国に比べ機械安全対策が遅れている。そのため、国内機械安全市場はEU、北米の数分の一といわれる。
厚生労働省が「機械の包括的な安全基準に関する指針」を示し、欧米並みの安全認識を求め出した結果、徐々に浸透しつつあるものの機械によっては、規制の厳守に厳しいEUなどと国内市場を分けて機械安全を施すメーカーもいまだに存在しているのが現状。
関連業界はリスクアセスメントに関する指針を作成、ユーザーサイドには厚生労働省や中央労働災害防止協会などが作成している。しかし、メーカー・業界では、ISO12100、ISO14121をベースに指針を作成しているが各業界が共通する統一的な基準が存在せず、不揃いとなっていた。
そのため、日機連では関連業界に呼びかけリスクアセスメント協議会を設置、「機械工業界横断的リスクアセスメントガイドライン」を策定した。機械の梱包・発送・設置から運用・保全・診断・修理・廃棄などまでのライフサイクル全体を対象にしている。
このガイドラインの周知徹底により、今後は安全機器への関心が高まり装備に拍車がかかるものと期待される。なお、日機連のリスクアセスメント協議会参加団体は次の通り。
日本印刷産業機械工業会、日本工作機械工業会、日本ロボット工業会、日本食品機械工業会、日本産業機械工業会、日本産業車両協会、日本鍛圧機械工業会、日本電機工業会、日本電気制御機器工業会、日本電気計測器工業会、日本フィールドパワー工業会、TUVラインランドジャパン、中央労働災害防止協会、三菱総合研究所。