日本電気制御機器工業会(NECA、舩木俊之会長)は、2010年度の電気制御機器の出荷見通しが09年度比1210億円増の5700億円(126・9%)と3年ぶりにプラスに転じるという見通しを明らかにした。これは過去最高の出荷であった07年度(6662億円)に対して、85・3%の水準である。
国内出荷は同121・4%の3400億円で、07年度比78・2%とかなりまだ差が大きいのに対し、輸出は同136・1%の2300億円で、07年度比98・6%とほぼピークの水準に戻りつつある。
国内出荷は08年秋のリーマンショックからの回復の兆しが見えているが、産機製品は国内の設備過剰を背景にして弱含みでの推移が見込まれており、半導体FPD関連設備や太陽光発電設備需要に期待が寄せられている。
業務民生機器はエコポイントやエコカー減税制度などの期間延長、3Dテレビ、新OS搭載パソコン効果で堅調な推移が見込まれている。
輸出は中国、インドなどの新興国の景気刺激策による内需拡大が継続して需要を牽引するものと見られ、米国も追加景気対策の公共事業などで景気持ち直しが続くが、欧州は依然として厳しい。
一方、09年度の出荷見込みは08年度比80・9%の4490億円になる。09年度当初の見込み(4060億円)に比べると430億円増加した。
世界同時不況の影響で昨年5月に底を打つまで減少が続き、一時は半減の月もあったが、中国市場の急速な回復による輸出の増加、国内のエコポイント制度などの景気刺激策が功を奏し、昨年12月にはようやく前年同月を上回り、今年1月以降は大幅減の反動もあり、毎月前年同月実績を超えている。
ただ、一部制御機器には納期遅れの影響が出ており、3月中の出荷が危ぶまれる懸念があることから、若干下方修正している。
また、NECA統計には海外生産・海外販売のOUT
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OUT出荷分が含まれていないことから、このところの円高基調でリレー、操作用スイッチを中心とした制御機器は海外生産を増やす傾向にあり、実態はさらに大きい出荷額となってくる。
なお、NECAでは制御リレー、操作用スイッチ、検出用スイッチ、制御専用機器、PLC・FAシステムの5つの大分類で出荷統計を公開しているが、今回はこの分類別出荷額を明らかにしていない。