スイッチ業務専門委員会(主査=パナソニック電工牧哲也氏)は、スイッチ市場の需要拡大に向けた新市場の可能性調査及び、主要業界のスイッチの動向・ニーズ把握などを主な目的に活動している。
スイッチ業務専門委員会は1992年2月に設置された。現在は、8社が参加して毎月委員会を開催している。他の業務系委員会と同様、スイッチの出荷統計や需要予測、業界・市場別の動向把握などを行っているが、スイッチニーズの変化に伴い市場が大きく変化していることから、ここ数年はスイッチユーザーとの交流と調査活動に力を入れている。
05年工作機械業界、06年配電盤業界、07年食品機械業界、08年介護福祉機器業界、そして昨年は放送機器業界を対象に実施した。
放送機器業界では、昨年11月に開催された国際放送機器展の会場で、出展製品について委員が手分けしてアンケート調査などを行った。
調査結果は今年5月の業務系委員会成果発表会で公表するが、「放送機器は暗いところで(スイッチを)操作するため、(表示に)微妙な色合いが求められる。有機ELメーカーも出展しており、新しい流れを感じた」(牧主査)と言う。
08年に調べた介護福祉機器も、これから拡大する分野としてスイッチ需要の魅力があるが、「市場は拡大して一定量が浸透し、今後はリース利用による同一品の再利用も想定され単純に需要に比例しずらい側面もある」(牧主査)。
こうした調査活動のほか、毎年工場見学も行い、スイッチに対する生の声を聞く機会も積極的に設けている。
またユニークな活動としてスイッチ業務専門委員会では、不定期で委員会社のスイッチの新製品を紹介し、その開発の背景などを発表している。
お互いにスイッチメーカーとして競合しながらも、スイッチ市場の今後への参考になればという工業会活動のひとつとして行っている。
スイッチの動向でいま懸念されているのが、タッチパネルやプログラマブル表示器(PD)との競合による需要への影響だ。スイッチの需要は景気の動向に左右されるものの、「PDなどに置き換えられて減少している面もある」(牧主査)として、需要動向の分析を進めている。
10年度はPDなどを担当するNECAのPLC・FAシステム業務専門委員会とも会議を開き、実態の把握を進める計画だ。
牧主査は「スイッチユーザーの業界調査も、PDなどに切り替わる理由を聞いて、その対応策を考えるのが目的となっている。スイッチの持つ特性をしっかりアピールすることで、市場の拡大につなげていきたい」と語っている。
【委員会参加会社】
IDEC、オータックス、オムロン、サンミューロン、日本開閉器工業、富士電機機器制御、パナソニック電工、山武