日本電機工業会(JEMA)PLC技術専門委員会プログラミング・ツール分科会は、「PLC(プログラマブルコントローラ)アプリケーションの開発効率化指針」を作成した。PLCの普及と用途拡大に伴い、アプリケーション・ソフトウェア開発環境が変化し、エンジニアの負担が増加している。そのため、今回、ソフトウェア開発の生産性を高められる指針をまとめたもので、IECのプログラミング言語採用によるプログラムの部品化を提案している。ソフト開発担当者の負担軽減につながることから指針の活用が期待される。
PLCは、産業用設備・機械の制御盤への搭載から普及したが、近年は工場関連だけでなくビルの空調制御、社会資本関連、環境装置、農園芸施設など用途が拡大している。そのため、メモリ容量も増大し、アプリケーション・ソフトウェアを開発する環境が大きく変化している。また、PLCは単体の輸出比率が30%を超え、さらに機械や装置に搭載された間接輸出を加えると50%以上に達すると見られている。
こうしたPLCの普及は、ソフトウェア開発者にとって、世界共通の言語によるコミュニケーションが求められ出している。
指針では、プログラムの部品化により効率的なプログラムの生産ができるとしている。
部品化にはIEC61131―3(JIS
B3503)の規格の採用を勧めている。このIEC規格は「世界のエンジニアが共通の言語でコミュニケーションでき、さらに、部品化によって効率的にプログラムを生産できるよう規定されたPLCのための国際標準プログラミング言語」という。
指針は具体的な適用事例を用いて、部品化によるソフトウェアの再利用の手法、効果を明示しており、有効である。資料をまとめたプログラミング・ツールアプリケーション分科会では「ソフトウェア開発の生産性、保守性が向上し、エンジニアの負担が軽減する」と活用を訴えている。
【IEC61131―3(JIS
B3503)】IEC61131は、プログラムコントローラ(PLC)の国際標準規格として国際電気標準会議IECが規定した。規格は7Partに分かれており、Part3がIEC61131―3である。Part3でPLCアプリケーションの標準化を目的としたプログラミング言語を規定している。