制御機器・制御システムメーカーは、電子部品不足と原材料費高騰の板ばさみでせっかくの需要回復に水を差す結果になっている。特に電子部品は昨年12月に国内生産、輸入とも前年を上回ってきたものの、2年前に比べ70%台の水準にとどまっており、必要量の確保にはあと数カ月かかりそうだ。制御機器・制御システム各社は品不足の手当てに躍起になっている。
電子部品・半導体は電子化の進む現在、このところの品不足はものづくりに大きな影響を与えている。
制御機器・制御システムは電子部品・半導体の塊であり深刻度合いが大きい。
電子部品・デバイスは、生産工場の統廃合や海外移転により生産が急速に下落した。
需要が昨年4月頃から上向き出し始めたが、リーマンショックの影響の大きさから生産計画に慎重になり生産の立ち上がりは遅くなっている。
昨年7月時点でも、底といわれる08年と比べても国内生産、輸入が80%に届かない状況で、10月にようやく80%台まで戻した。11月が90%台、12月にやっと国内生産が前年同月比で119・1%、輸入が104・7%となり、前年の水準を超えた。
12月の数値はそれでも07年比で電子部品が70・5%、電子部品が76・3%である。今年1月も比率に大きな変動はなく、引き続き品不足が続いているのが現状。
同時に原材料費高騰にも見舞われている。東京の電気銅価格は、今年2月で690円、昨年2月は320円であり倍以上高くなっている。その他の金属類も同様に高水準にあり、また、樹脂など成形品も値上がりが止まらない。
制御機器は金、銀、銅、銅線、ケイ素鋼板、鐵、アルミ、各種樹脂など金属・非鉄金属、樹脂が多く使用される。
そのため、原材料の高騰は頭が痛いところで、各社はその対策に苦慮しているのが実状である。製品設計の見直しを進める会社も出てきた。
当分の間は品不足と材料費の値上がりが、売り上げ増加による利益を帳消しにしそうだ。
一方で、販売競争の激化の中で、マーケットシェア獲得への取り組みも強化しており、各方面へより一層気を配る必要性が増している。